2007-12-01から1ヶ月間の記事一覧

お知らせ・・・ ken. shiho. yuri

このブログに、さまざまなご意見をお寄せ下さって、ありがとうございます。 私たちは、「李香蘭の恋人 キネマと戦争」という本を大変面白いと思い、しかしその複層的で複雑な内容を読み切るのは難しいとも思い、このブログを始めました。 本の中の疑問点、面…

忘年会 第?弾・・・ yuri

ごめんなさい。また忘年会の話で。 我らが売れない女優仲間の一人で、メキシコにまで流れていったサッチャンが、数年ぶりで帰国。で、また集合したわけ。 コンちゃんが、再び「李香蘭の恋人」の話を持ち出した。 コンちゃんは、劉吶鴎暗殺時に、李香蘭は上海…

客死した林献堂・・・ shiho

「李香蘭の恋人」には、たくさんの台湾人が登場する。 もちろん、主人公の劉吶鴎も台湾人だ。 台湾人を登場させることで、この本は、李香蘭の知られざる側面を描き出すことに成功している。 知られざる側面のひとつは、李香蘭が植民地統治にいかに有効に利用…

チャイナドレス・コレクション・・・ yuri

友達の友達に、チャイナドレスのコレクターがいる。 年末大掃除を手伝うという名目で、コレクションを見せてもらうという幸運に恵まれた。 中国では文革中に、きれいなチャイナドレスなど持っていると旧思想の持ち主と見なされて危ないということで、各家庭…

ビッグなバイプレイヤーたち・・・ shiho

「李香蘭の恋人」には、たくさんのバイプレイヤーが登場する。 それも立派に主役をはれそうな人たちが、ぞくぞくと。 映画界のビッグな顔ぶれはいいとして、政財界のVIPがこれほど顔を並べるのは、李香蘭が時の権力に庇護された存在だったことを如実にあらわ…

松崎啓次と李香蘭・・・ ken

「李香蘭の恋人」は、脇役が充実しているところが面白い。 松崎啓次もそのひとりだ。 東宝の名プロデューサーとして「わが青春に悔いなし」「姿三四郎」などを残した松崎の、若き日の姿が出てくるのには、わくわくさせられた。 松崎が劉吶鴎と、親友とも言え…

劉吶鴎の補償は?・・・ shiho

私には気になってならないのに、「李香蘭の恋人」のなかでも取り上げられていない問題がある。 それは、劉吶鴎の死亡時に、日本側から何らかの補償がなされたか、ということだ。 劉吶鴎が暗殺されたとき、彼は中華電影公司の仕事をしていた。 日本からのロケ…

目立ちたがり屋の私たち・・・ yuri

昨日は忘年会の第一弾。親しい友人だけの集まりだった。 仕事関係の忘年会が目白押しになる前に、ということで、私同様の売れない女優たちが集合。 話はやはり、「李香蘭の恋人」で盛り上がった。 とくにこの本の結末部分。 「こんなに質問事項があるなら、…

李香蘭のパスポート その2・・・ ken

「李香蘭の恋人」では触れられていないが、李香蘭のパスポートの件で、気になることがある。 それは山口淑子の自伝「李香蘭 私の半生」に書かれていることだ。 山口淑子は1934年5月、北京留学のために一人で列車で奉天から北京へと向かった。 硬席車に乗っ…

劉吶鴎の暗殺 と 李香蘭 の関係・・・ shiho

台湾人映画監督・劉吶鴎は、1940年9月3日、上海で暗殺された。 ちょうどその時間に、そのすぐそばで彼を待っていたのが李香蘭だった。・・・これは山口淑子が雑誌「東京人」などで語っていることだ。 「李香蘭の恋人」で、私は初めて劉吶鴎のことを知った…

パスポートは、本名しか載せないはずでは?・・・ ken

「李香蘭の恋人」に、李香蘭がはじめて日本の土を踏んだときのことが書いてあった。 李香蘭の、見たことのない故国への憧れは強く、前夜は興奮で眠れないほどだった。 ところが、その熱い憧れを打ち砕くような出来事が起きた。 下関港に着き、上陸しようとし…

李香蘭のガッツ・・・ yuri

何事かを成し遂げた人というのは、意志の強い人が多い。 女優業では食べていけない私は、この人は何を支えにして志を遂げたのか、という観点から人を見る。 私が李香蘭の人生の中で最も心を引かれるのは、敗戦後の数年だ。 李香蘭を捨て、山口淑子に戻って、…

スターの感覚----shiho

「李香蘭の恋人」にも書いてあったが、私も山口淑子が満州や上海や北京を訪ねるTV番組を見たことがある。 山口淑子が、思い出の場所に立って、そこでの経験を語ったり、昔の友人や知人に再会するのだ。 それを見て私が思ったのは、スターというのは哀れだ…

スターの条件----李香蘭の場合・・・ ken

スターという存在は不思議なものだ。 どんな美貌でも、美声でも、スターになれるとは限らない。 逆に、それほどの美貌でなくても、美声でなくても、スターになる人はいる。 スターになった人には、身の内から光がこぼれるようなオーラがあるように思う。 李…

それらしく演じるだけの価値はどこにあるか---サヨンの場合・・・ shiho

映画というのは面白い。自分が好きな作品を思い返してみると、完璧なものより、少々の欠点があるほうが味わい深かったりする。 映画というのは面白い。少しウソが混じっていた方が楽しかったりする。ウソだと知りつつ、夢を見るのだ。不可能なことを一瞬可能…

セリフを何語でしゃべるか・・・ yuri

李香蘭が、台湾の先住少数民族の少女に扮していながら、日本語をぺらぺらとしゃべる。 このことが与える影響は大きい。 私は以前、セリフを何語でしゃべろうと、意味が同じならいいじゃないか、と思っていた。 だが、台湾映画に関する本を読んで、そんな考え…

言語に優劣をつける思想・・・ ken

「サヨンの鐘」で、サヨンが日本語をぺらぺら喋るのは、設定から考えると確かにおかしい。 けれど、売れっ子で忙しかった李香蘭には、出演にあたってタイヤル族の言葉を勉強する余裕などなかっただろう。 それに日本人の製作スタッフ側にも、そうしようとい…

李香蘭が演じたサヨン・・・ yuri

「サヨンの鐘」が話題になったので、気になっていたことを書いてみる。 だいたい、サヨンっていったい誰のことだ? というのが「サヨンの鐘」を見たときの私の感想だった。 あのときは、台湾のことも製作当時の社会の状況もろくに知らなかったけれど。 サヨ…

李香蘭がうたう「海ゆかば」・・・ shiho

「海ゆかば」という軍歌がある。 軍歌らしくない哀切なメロディは、ドイツで音楽を学んだ信時潔が作曲したものだ。 歌詞は、万葉集のなかの大伴家持の長歌の一部だ。 「海ゆかば 水漬く屍 山ゆかば 草むす屍 大君の辺にこそ死なめ 顧みはせじ」 戦争中には、…

ワイドショー司会者 山口淑子・・・ yuri

この共同日記を始めるときに、自分の見聞と意見を書こう、との暗黙の取り決めがあった。 それからは少しはずれてしまうが、友人のYさんの母親から聞いた話を書きたい。 というのも、ワイドショー司会者時代の山口淑子を執筆者3人ともがまったく知らず、Y…