2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧
山口淑子が国会議員になったのは、1974年のことだ。 自民党田中角栄派から参議院議員に立候補して当選し、以後18年にわたって参議院議員をつとめた。 李香蘭時代の活躍は、もとより僕はまったく知らない。 だがこの参議院議員当選も、まったく記憶がないのだ…
今年の4月に、2夜連続ドラマスペシャル「李香蘭」が、テレビ東京で放映された。 上戸彩が李香蘭に扮して、上海でロケをし、個性的な俳優を集めた大作だった。 原作は、山口淑子著『「李香蘭」を生きて・私の履歴書』だった。 このなかで、私がオヤっと思っ…
「李香蘭の恋人 キネマと戦争」田村志津枝著は、親切な本ではない。 というか、含みが持たせてあって、読者の想像にゆだねたり、当事者に問いかけたりしている。 これを面白い、あるいは深いと思うか、あるいは論理が粗雑と見るかは、意見が分かれるところだ…
「李香蘭の恋人」を読んでいると、判然としない箇所がでてくる。 そのひとつ。 劉吶鴎が暗殺されたとき、誰かが補償金を出しただろうか、という疑問がわく。 劉吶鴎には当時、台湾に残してきた長女を入れて、5人の子供がいた。 日本の常識だと、翌日から妻…
「満州国」は、国民が一人もいない「国家」だった。 そんな事実をひとつ知ると、歴史の見方が変わってくる。 開拓農民として「移民」させた人々を、「日本人」のままで「満州に根づけ」と無茶苦茶なことを言っていたのだ。 上海もそうだ。 蘇州河の北側の虹…
<写真は『李香蘭の恋人 キネマと戦争』田村志津枝著 筑摩書房刊>歌の話題で思い出したので書いてみます。 李香蘭が、戦前の李香蘭時代に出演した、たった1本の中国映画がある。 付け加えておくが、戦後になって山口淑子は戦前に軍部の言いなりになって中…
流行ってなんだろうか? つくずく考えさせられてしまった。 というのも、「支那の夜」のビデオをみつけて見てみたのだ。 李香蘭・長谷川一夫コンビで人気をさらったという1940年の作品だ。 まず李香蘭。べつに何と言うことはない。ちょっと肥り気味。顔立ち…
友達に、李香蘭フリークがいる。 劇団四季の「ミュージカル李香蘭」ではまったという。 でもあの主役は、声量に乏しく、艶も色気もなかったそうだ。 やはり李香蘭はよかった、という逆説宣伝になっているんじゃないかと、彼女は言っている。 彼女のコレクシ…
レニ・リーフェンシュタールという人がいる。 彼女は1905年生まれ。李香蘭より15歳上だ。 ダンサーとしてデビューし、女優になり、映画を1本撮ったころ、ヒットラーと出会った。 ナチスの党大会の記録映画を撮り、36年のベルリンオリンピックの記録映画を撮…
人間は、もともと多面的なものだ。 その人が、置かれた立場や条件によって、一面が強調される。 「李香蘭の恋人 キネマと戦争」は、李香蘭のつくられた虚像に挑んだ本と言えると思う。 山口淑子が「中国人女優・李香蘭」になったときのことが、この本にはつ…
「満州国は、国民が一人もいない『国』だった」というのは、私は聞いたことがある。 その理由は、満州国をつくった日本人が、そこに住む中国人たちと同じ「満州人」になることを嫌ったからだという。 李香蘭が、積極的に「自分は中国人だ」とウソをつきはじ…
shihoに勧められて、読み始めた本。なんだかやけに時間がかかる。なぜかと言えば、知らないことがつぎつぎ出てくるからだ。 本のタイトルは「李香蘭の恋人 キネマと戦争」田村志津枝著 筑摩書房刊。 タイトル通り、李香蘭の話だ。だが、入口で、がーんとショ…
shiho,ken,yuriが共同で、日記を書き始めます。 まず、最近とても気になる1冊の本の合評から始めるつもりです。 どうぞよろしく。